2015年10月18日日曜日

欧州難民問題に思う

正直、問題の地より遠くにいるためあまり実感涌いてはいませんが、欧州連合(EU)は存亡の危機を迎えていると思います。

今回は(今回もギリシア問題に引き続き)なんの先見性もないドイツがやっちまったという他ありません。






まずEUへの難民申請は、「はじめにEU内に到着した国」で行うことが定められています。
ダブリン協定でたしかEUの難民は最初に足をつけたEU国が保護すると定められてます。
で、その原則を了見の狭い浅はかな考え方で変えてしまったのがドイツです。
「シリア人の」と限定はしてたようですが、ドイツで申請できるようにユーロ全体の協定であるダブリン協定を無視した対応してしまいました。

ユーロ加盟国は、地政学的にみると最初の難民到着地がドイツになるなんて可能性は低いわけです。
ドイツの隣国は全てユーロ加盟国であるため陸続きでの移動でユーロに入ってくる難民が申請できるのがドイツであるわけがないのです。
海から入ってくるというのは考えにくいですしねぇ。。

ユーロ加盟国
(出所:Wikipediaより)


そこで、経済が好調すぎて「安価な」労働力を喉から手が出るほど欲していたドイツさん。
これは自国経済を強化するチャンス、指をくわえて黙ってはおれんとでも思ったのでしょうか。
なんの考えもなしにドイツで難民していいよって言っちゃったんですねぇ。。

(参考)ロイター記事
焦点:難民は「未来の熟練工」、ドイツ高齢化の救世主か
コラム:難民危機、メルケル独首相の「遺産」となるか







難民を受け入れるという人道的な面は素晴らしいと称賛されてもよいと思います。
但し、難民を安価な労働力とみてしまっている点が残念です。
さらに、このことがユーロの隣国に大迷惑をかけることになっています。
要は多くの難民が「目指せドイツ」となってしまうわけですね。

ゲルマン人の大移動で古代ローマ帝国領が脅かされてしまったように、ドイツを目指す何十万人(何百万?)もの難民によって周辺国が大変なことになってしまっています。

列車に大量の難民が押し寄せたり、警官隊と衝突したり結構どころかかなりの損害をくらっています。
で下記記事にもあるように、「おい、ドイツよ。おまえ他人の迷惑考えろ」と文句言われちゃってます。
・・・まぁ、国同士の問題でここまであからさまにいうかどうかはともかく常識的に考えるとハンバリーさんのおっしゃる通りだと思います。



(参考)ロイター記事
コラム:難民危機でも試されるドイツの指導力

(記事引用)
EUの弱小国がドイツに感じている憤りと尊敬がないまぜとなった感情は、ハンガリーのオルバン首相が難民に対する自国の手荒い扱いを擁護するなかで語った次のような発言に如実に表れている。同首相は3日、「(難民)問題は欧州の問題ではない。ドイツの問題だ」と述べた。


しかも、ドイツのたちの悪さはそれだけではありません。
難民歓迎宣言を出した1週間後には、「やっぱやーめた」と言わんばかりの国境封鎖です。
予想をはるかに超えた難民入国のため対処しきれないですと。
ってか、ほんっと頭悪くないですか?

今までどれだけユーロ圏に難民入ってきたと思ってたの?
その難民が一斉にドイツ目指すって予想できなかったの?
さらに、「自分はシリア人難民だ」と偽ってドイツ入国を目指す輩が大量発生することは予想できないかったの?
受け入れ余力どれだけあるかすら考えずに受け入れ歓迎するって言っちゃったの?
これじゃあ、人道的詐欺パフォーマンスですよ、本当に。
一体何やってんすか???

ボッシュやシーメンス、SAPなどの大企業を輩出した国であり、どちらかというと質実剛健なイメージのある国として多少の尊敬の念を持っていましたが、イメージ型崩れです。
ここまで頑迷で独善的な国であったか、ドイツよ。

「金は払うけど難民の受け入れはしないよ」と言って、国際感覚のなさを批判された日本の首相の方がよっぽど地に足がつき現実的な対応と思えましたね。




(参考)ロイター記事
欧州は難民流入を制限すべき=ショイブレ独財務相
メルケル独首相、難民流入急増のトルコへの支援呼びかけ


ギリシアの債務問題といい、今回の難民問題といい、ドイツはユーロの盟主にはなりえないなという時間を強く持ちました。

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