2014年9月13日土曜日

2014年6月末時点のNISA口座利用状況 ~金融庁より~

2014/9/12(金)、金融庁より6月末時点のNISA口座の利用状況調査結果が公表されました。
http://www.fsa.go.jp/policy/nisa/20140912-1.html

なんでこの程度の情報公開に2.5か月もかかるの?という疑問はさておき、統計データをみてみました。

■NISA口座開設状況

60代、70代は人口NISA活用度合が大きいです。
確かに人口比率も多いのですが、人口当たりのNISA口座開設率でも10%超となっています。

資産を大きく増やしていくべき20代、30代のNISA口座開設が思ったほど多くありません。
投資金額はこれまでに蓄えた額がものをいうので高い世代にかなうはずはありません。
しかし、NISA口座を開設すらしていないというのは、そもそも資産運用にはあまり興味が湧いていない年頃なのでしょうか。

気になるのは、投資意欲旺盛な世代であっても全人口の10%しかNISA口座利用していないということです。
資産運用としていまだに貯蓄を続けてる人が大多数なのではないか?ということが読み取れます。
後投資口座は持っているがNISAはやっていないのか、そもそも投資自体をやっていないのかの確認は必要です。

こう考えると私のやってる投資活動は少数派とまではいいませんが、皆がやっているものではないと考えるべきでしょう。


年代別NISA口座数(単位:百万口座)
(出所:金融庁公表のNISA口座の開設・利用状況等調査(平成26年6月末時点)資料をもとに作成)
 
年代別NISA口座開設率
(出所:金融庁公表のNISA口座の開設・利用状況等調査(平成26年6月末時点)資料及び、総務省統計局公表の平成25年10月1日現在年齢別人口をもとに作成)


■NISA投資状況

6月はNISA口座が始まってからちょうど半年が過ぎたタイミングです。
投資金額の方は投資可能額100万円の半分にも満たない10~20万円台に止まっています。

NISA投資大多数派の60代、70代でさえ口座当たり平均24~25万円程度の投資額です。
若年層の20代、30代については・・・
何か羨ましいです。
空いてるNISA投資可能額を分けてほしいです。なんて。


年代別NISA投資額(単位:百万円)
(出所:金融庁公表のNISA口座の開設・利用状況等調査(平成26年6月末時点)資料をもとに作成)
 
年代別NISA口座当たり平均投資額(単位:万円)
(出所:金融庁公表のNISA口座の開設・利用状況等調査(平成26年6月末時点)資料をもとに作成)


■NISAの今後

NISAの非課税運用が始まったとはいえ、まだまだ課題は多いと考えます。

・損益通算、繰越ができない
利益が出た時に税金がとられないかわりに損失を出したときに他の株で得た利益との損益通算ができません。
当然、損失の繰り越しもできません。
これがエスカレートすると多少なりともギャンブル性を帯びてしまうような気がします。

・1つの証券口座しか使えない
利用者の利便性を完全無視した対応ですね。
きょうびの投資家・トレーダーが証券口座は1つしか開いていない、ということはありえないと思います。
扱う商品が異なることもあり、いくつかの証券会社に複数口座を持ち運用しているはずです。
そんな状況はわかっているはずです。
にも関わらずこんな制度を作るとは・・・使いずらくて仕方ありません。。
こんな使えない制度にしてしまったため、不毛な証券会社のNISA口座獲得合戦が起こっています。
携帯のMNPキャッシュバック競争ではないんだから。。。
これは、お金をユーザの獲得に使うということです。
既存ユーザへのサービス向上が蔑ろにされるということでもあります。
複数証券会社でのNISA口座を許可した場合、個人の上限100万円を算出するのが面倒だというのは想像できます。
しかし、リスク資産へお金をつっこんで欲しいのなら、もっとユーザ目線での制度作りをしてほしいです。

・5年間の時限式で長期投資に不向き
NISA口座の有効期間は5年です。
5年後に利益が出ている状態にしないと損をしてしまいます。
5年という期間は短期ではないですが、別に長期でもないです。
価格に変動が発生する株や債券等の価格が5年後に確実に利益が得られるわけではありません。
損失であれば損益通算、繰越できないのでNISAは損ですからね。



NISA口座の利用が進んでいない(と私は考えています)理由としては2つの方面から考える必要があるでしょう。
そもそも、日本において投資が根付いていない、それゆえにNISAも利用されていないという考え方。
後はNISAの制度自体に欠陥があること。
複雑なルールでよくわからないであったり、お得どころか損してしまうような制度であれば、多くの人を呼び込むのは難しいでしょう。

NISA制度を検討されている方にはもっと頑張ってほしいものです。


0 件のコメント:

コメントを投稿