2014年7月9日水曜日

タイ経済、順調に回復基調に入ったか? - 2014年7月

2014年5月22日、陸軍総司令官Prayuth Chan-ocha氏がタイ王国19度目のクーデターを発生させました。
これによりNPKC(National Peace Keeping Comittie)が全権を掌握しました。
そして、現在進行形で以下のような特別な状況に陥っています。
 ・多くの政治指導者がNPKCの命令により出頭、場合によっては身柄が拘束
 ・君主制の部分を除いた憲法が停止
 ・テレビ・ラジオ局は通常放送を停止

正に異常な事態と言えると思います。
このような状況は、タイにはどのような影響があるのでしょうか?

このタイにおいては、NPKCによる暫定政権(以下、「軍政」とよびます)は経済にとってプラスに働いているといえそうです。

タイにおいては大きく3つの理由で経済界にとってプラスに働いていると言えそうです。
まず、軍政になったことにより政治が安定することが挙げられます。
政治によって経済界が足を引っ張られてしまうというケースはよくあるのではないでしょうか。
2014年12月からクーデター迄の暫定政権下において例えば以下のような不具合が発生していたことが想定されます。
 ・他国からの投資受け入れに政府の承認が得られない。
 ・各種事業の許認可に政府機関が関わらなければならない。
 ・政府予算で定められた経済刺激策が執行されない。
軍政移行後は経済の足を引っ張っていた事案についてはかなり迅速に意思決定をしていたと思います。

次に、汚職や収賄の徹底排除によりタイ経済界の病巣を取り去る取り組みを行っている点が挙げられます。
政治家や資本家個人の懐に入る主に旧タクシン派がやり玉にあがることが多いようですが。
 ・タイ米買い取り制度の汚職
 ・宝くじ利権
 ・その他公共事業の入札等等
他にも、政治家や国家公務員等の汚職を徹底的に洗い出す構えのようです。
事実をもみけしそうな人物(主に旧タクシン派)は左遷されたりしてますねぇ。
タイのお国柄として汚職や賄賂が多いイメージがどうしてもつきまといますが。。
こういうのは政治家にはできないことでしょうね。

そして最後に重要なのは、軍政が国王及び国民の支持を得ていることでしょう。
タイ国王は承認せざるを得ないとか、国民は軍政のばらまき政策によっておとなしくなっているとかいう批判もあるかとは思います。
ですが、大多数のタイ国民にとって政治家同士の争いは迷惑以外の何物でもなかったでしょう。
デモ隊によって首都の主要道路が封鎖され、仕事にならなくなった人もいるでしょう。
海外からの観光客が減ってタイの主要産業である観光業は大きな打撃を受けたでしょう。
タイ国民にとっては一刻も早く日常生活を戻ってほしいというのが本望だったと思います。
少なくとも今の軍政が私利私欲にまみれて国や国民の安定を軽視しているようには見えません。
タイ国民は軍政下で窮屈な生活をしているでしょうか?
軍政による(安定した)政治体制が確立されたことでほっとしたのではないでしょうか。

実際に経済の先行きを示す証券市場の指標(SET Index)を見てみましょう。
2014年1月3日に一旦の底を見せて回復基調にあります。
しかし、軍政になってもその回復基調は変更なく、1,500台に乗ってきてます。
多くの投資家はタイ経済は上向くと期待しているということを反映しているのでしょう。
※もちろん実体経済が実際によくなるかどうかは今後の検証が必要です。




米国や欧州諸国等タイの軍政を批判する国家もあります。
ただタイにおいては政治家が国家運営するよりは軍政の方が圧倒的に国を良い方向に導いているように思えます。
このままタイのために政権運営をしていけるか、そして最終的にうまく民政に戻せるか、という課題はありますが、今後もタイ経済にとってプラスになることを遂行していってくれることを期待したいと思います。

0 件のコメント:

コメントを投稿